2007年問題をブログが解決!?〔対談 8〕

2007年問題西暦2007年問題とは、一般的には長年企業において大型汎用機などの基幹系システムを開発・保守してきたベテランが引退してしまい、今まで培ってきた技術やノウハウなどが継承されず、基幹系システムの維持が困難になる現象を指しています。

しかしながら、現在この問題は製造業界全体に広まっています。どう対応していけばよいのでしょうか?

それを検証してみたいと思います。

■ 司会者〔福場〕
西暦2007年問題が現在日本の社会問題になっておりますが、ブログマンさんは如何お考えでしょうか?


■ ブログマン
西暦2007年問題は昔の2000年問題とは異なり、2007年に一気に発生する問題ではありません。

実は団塊の世代で一番数が多いのが、戦後間近の昭和22年(1947年)生まれです。その方々が60歳で定年を迎える時が2007年であり、今まで培ってきた技術やノウハウなどが継承されず様々な問題が発生するといわれているのが2007年問題です。

2007年問題は今までIT業界の問題としてよく取り上げられておりましたが、IT業界だけではなく、製造業界など様々な業界で問題となっております。


■ 司会者〔福場〕
そうですね。最近のテレビではIT業界以外の製造業界で2007年問題の特集を組んでいました。


■ ブログマン
まず、この2007年問題を企業が解決するためには団塊の世代のノウハウを今の若手に継承するしか方法はありません。


■ 司会者〔福場〕
そうですね。それはどこの企業も取り組み始めていると思います。


■ ブログマン
継承方法は様々な方法があります。やはり製造業で一番多いのは「体で覚える」といった方法です。時間をかけながら、若手に体で覚えてもらうのです。

しかし、重要なポイントとして、その体で覚えた若手が今後会社にずっと貢献し続けるかどうかについては議論がなされていません。

つまり最近ではいつ若手は転職するかわからないといったリスクについて、会社ではほとんど目を向けられていないのです。

この先、10年、20年と現在の品質を保つ事が出来るような仕組みを根本から検討しなければならないのです。


■ 司会者〔福場〕
それは大きな問題ですね。最近の電車の中には転職の広告は沢山張られています。


■ ブログマン
はい、転職は以前と異なり非常に敷居が低くなっているのです。よって、若手の転職と言った部分も含めて2007年問題を考える必要があるのです。


■ 司会者〔福場〕
具体的にはどの様な手段が一番効果的なのでしょうか?


■ ブログマン
まず考えなくてはいけないのは、ベテランのノウハウをどうやって会社の財産として顕在化させるかですね。

残念ながら、ノウハウは潜在的なナレッジのため、これを顕在化させなくては他のメンバーと情報共有が出来ないのです。


■ 司会者〔福場〕
しかし、ノウハウを顕在化するにはドキュメントとして残すとか、そういったことになりますよね?

IT業界であれば、ある程度ITリテラシーの高い方が多いので、問題ないかと思いますが、最近の2007年問題はIT業界以外にも波及していますが。


■ ブログマン
その通りです。製造業界などはITリテラシーが高い人ばかりではありません。よって、ドキュメントを作成するにしてもパソコンが不慣れなため、大変時間がかかってしまうという問題があります。


■ 司会者〔福場〕
結局、2007年問題は根本的な解決はできないと言うことでしょうか?


■ ブログマン
いや、そんなことはありません。発想を変えればこの問題を解決できるのです。


■ 司会者〔福場〕
発想ですか? すいません、具体的に教えてください。


■ ブログマン
実は、ベテランにドキュメントを書いてもらうのではなく、引き継ぎを受ける若手が書けばよいのです。


■ 司会者〔福場〕
なるほど!若手であれば、ITリテラシーも高いと言うことですね!


■ ブログマン
その通り。

若手がベテランから教わったことをドキュメントに明記していくことで、「自分が教わったことは何か?」を理解でき、ドキュメントを書いていると「分からない部分、新たに疑問が生まれた部分」が明確になります。

そして、書いたドキュメントをベテランがチェックすることによって、「漏れているところ,言い忘れたところ,現在の引き継ぎを受ける若手の理解度」といった事が分かり、アドバイスすることが出来ます。


■ 司会者〔福場〕
画期的ですね! これで2007年問題も怖くないと言ったところでしょうか?


■ ブログマン
いや、それは言い過ぎかもしれませんが、通常は引き継ぎをする人がドキュメントを書くという考え方が染みついているため、単なるコロンブスの卵です。

あとは、ドキュメント以外に2007年問題に対し、イントラブログ/社内ブログを活用するとさらによいと思われます。


■ 司会者〔福場〕
ほう、それはなぜでしょうか?


■ ブログマン
ドキュメントはあくまでもドキュメントで、結果の生成物なんです。過程の生成物ではないんですね。


■ 司会者〔福場〕
ごめんなさい、また意味がちょっと分かりません。。。


■ ブログマン
ノウハウとは、ある製造工程でこうやったら失敗し、こういう感じにしたら成功したといった部分になります。

つまり、ノウハウは結果よりも過程に出てきやすいんです。しかし、通常ドキュメントにはうまくいった成功部分、つまり結果しか書いていません。


■ 司会者〔福場〕
ドキュメントに失敗談なども含めて書いていくのはどうでしょうか?

■ ブログマン
確かに、ドキュメントに失敗談も書けば良いのかもしれませんが、そうすると膨大な量のドキュメントになり、後で読むのも大変です。ドキュメントはあくまでも要点だけにするべきです。

失敗談の方は、日々日記のように書いているブログに任せると良いでしょう。

読む方も楽に読めますし、ドキュメント通りにやってつまずいたところがあれば、ブログを見るといった使い方がベストでしょうね。

なんといってもブログは日々の日記なので、ブログにかかれていることと全く同じようにやっていけば最悪同じ日数でノウハウを取得することが出来ます。


■ 司会者〔福場〕
すばらしい組み合わせですね!


■ ブログマン
あとは、ベテランから引き継いだ若手がもし退職し、別の若手がドキュメントと前任のその若手のブログを見ながら、ノウハウを取得すべくやっている過程で、前任の若手では起きなかった失敗が起きたとします。

その場合、前任の若手のブログと新しい担当の若手が書くブログにトラックバック(用語集参照)を張れば、ナレッジを集約できます。


■ 司会者〔福場〕
すばらしいを通り越してなんだか芸術の域に入っていますね!


■ ブログマン
芸術かどうかは分かりませんが、多分2007年問題を解決するソリューションとしては一番良いとは思います。

あとイントラブログ/社内ブログのメリットとしては、
 ◆ ブログは誰でも簡単に入力出来る
 ◆ ブログは写真を一緒に添付することが出来るため、ノウハウを形に残しやすい

といったメリットもあります。

長く使い続けるためには、情報の入れやすさというのは非常に重要です。

また写真を簡単にアップロードできるので、言葉にしにくい部分もこれでカバーが出来ます。


■ 司会者〔福場〕
なるほど、イントラブログで2007年問題に立ち向かうと言うことですね。


■ ブログマン
その通りです。ただし、このイントラブログ/社内ブログを導入すれば100% 成功というわけではありません。

失敗談などのノウハウ(暗黙知)を積極的に引き出す仕組みが必要です。


■ 司会者〔福場〕
よく分かりました。これで、2007年問題を吹っ飛ばせそうです。本日はどうも有り難うございました。


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